研究・開発

最先端の技術を安全に

弊社はFRP橋梁の製作技術が進んでいるオランダの企業と技術提携し、バキュームインフュージョン(真空注入/VI)法によるFRPボックス桁橋を2014年から製作しています。社内の技術者ををオランダへ派遣し技術を習得、オランダからエンジニアを自社工場へ招聘しそのテクノロジーを学び確かな技術を身に着けてきました。さらに、安全を確認するため大学の研究室、公的機関の協力を得ながら各種検証を実施しています。

振動計測実験(協力:大阪市立大学・京都大学)

大阪市立大学大学院工学研究科都市系専攻、橋梁工学研究室・京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻、構造力学分野および社会基盤創造工学分野土木学会委員の方々の協力のもと、2019年10月に架設した浦添大公園連絡橋(横断歩道橋)で振動計測実験を実施しました。

実験方法①(歩行):歩道橋中央、端部の2か所でそれぞれ1人で歩行(2Hz)し歩道橋の振動応答を計測(各10分)。

実験方法②(衝撃):橋上3か所にそれぞれ人による衝撃力を加えて歩道橋の振動応答を計測。人が飛び降りる周辺にセンサを設置し、衝撃力も測定。(各10分)

実験方法③(常時振動計測):歩行者や橋梁下を通過するトラックなどの風圧による対象橋梁の常時振動を計測。(各10〜20分)


曲げ・せん断載荷実験(協力:ものつくり大学)

ものつくり大学、橋梁工学研究室の協力のもと、計算上の数値と実情を比較し、安全性等を照査することを目的とし、実物大の約1/2サイズのテスト橋で曲げ・せん断の実験をしました。

曲げ載荷試験

●供試体:実橋の約1/2スケール(長さ6.3mx幅1.27m)のものを使用。

●使用試験機:3000kN万能載荷試験機。

実験方法:2点載荷の4点曲げ載荷実験を行い、床版や桁が終局状態を迎える際の耐荷力と破壊状況を調査。

実験結果:設計最大曲げモーメントに相当する計算値は、床版破壊時の曲げモーメントに対して5.9倍の安全率を有しており、実橋の安全性は十分であるといえる。

せん断載荷試験

●供試体:実橋の約1/2スケール(長さ6.3mx幅1.27m)のものを使用。

●使用試験機:3000kN万能載荷試験機。

●実験方法:1点載荷の3点曲げ載荷実験を行い、桁もしくは支点上ダイヤフラムが終局状態を迎える際の耐荷力と破壊状況を調査。

実験結果:設計最大支点反力に相当する計算値は、端支点の支圧による破壊に対して15.4倍の安全率を有しており、実橋の安全性は十分であるといえる。


載荷試験(協力:兵庫県工業技術センター)

2m×12mの実験橋(人道橋、緊急時1.5トン車両通行可)を用いて兵庫県工業技術センターとの共同研究の一環として載荷実験を行いました。

実験内容

2m×12mの実験橋(人道橋、緊急時1.5トン車両通行可)を用いて兵庫県工業技術センターとの共同研究の一環として載荷実験実施。

1袋350kgを24袋、合計8.4トンを床版全面に均等に載荷し、載荷過程に伴う桁のたわみ量を測定。

全載荷の状態で24時間放置し、その後脱載荷をしたところ、脱載荷直後に桁のたわみは殆ど解消されていた。又2時間後には完全に載荷前の状態に戻ったことが確認された。

ひずみ計を10か所に設置し、載荷に伴う部材のひずみ量を測定。測定した箇所のうち最大のひずみは桁底部中央。全載荷を24時間保持した後のひずみ量より算出した応力値は、実験で得た部材の引張り強さをはるかに下まわるものであり、構造部材として安全であることが確認された。


接着引張試験(協力:熊本県産業技術センター)

VI法ボックス桁橋は接着接合を採用しています。接着剤による積層材の組立はFRP船や風力発電の巨大な風車にも採用されています。近年は飛行機や自動車にも取り入れられ、接着接合の用途は安全性を必要とするものへと広がりを見せています。橋梁の接着接合の安全性を確認するため、熊本県産業技術センターで経年劣化の試験を実施しています。